影響力

いつだって人は生まれ変われる。

いつだって。

時間の節目、イベントが大人になるにつれてなくなっていく。

学年がひとつ上がったからこの一年はあれをしよう。

二十歳になったからかっこいい大人を目指そう。

結婚したから暖かい家族を作ろう。

子供が生まれたから尊敬される親になろう。

だけど時間の流れは歩みを緩める事なく流れる。

節目はなくなっていく。

誕生日や年の変わり目、意識を変える機会は確実に減っていく。

あれ？この一年なにをしてたんだっけ？

決して無駄に歳を重ねているわけではない。

だけど、この歳にはこれをした！って事が本当に少なくなっていく。

毎年、今年はこれをしたって言えるように過ごしたい。

二十歳くらいからずっと思って生きてきた。

どちらかというと楽観的に物事を考えるタイプであった。

プラス思考はマイナス思考に勝てない、

誰しもがプラス思考に憧れるんだ、だからポジティブで居たい。

そう思っていた。

昨年末、考え方や育ってきた時代、感情、趣味思考が近いなと思える人に出会った。

とても尊敬出来る方で真っ直ぐ物事を捉える事が出来てしかもそれに間違いがない。

ずっと誰しもがプラス思考に憧れると思っていた。

だがこの方はネガティブも大事と言い切った。

そして、物事がうまくいかなかったら行動を起こして

その状況を打破する、破壊する、そんな生命力に満ちた方。

『生まれた時代が悪かったなぁ』

『もう少し生活環境が良ければなぁ』

こんな考え方が大嫌いだった。

だけどここ何年か、置かれた状況、環境に甘んじて生きてきた。

仕事も日々の業務をこなしているだけだった。

だけど資格は取った。

何かを変えたいわけではなくただただ惰性で取った。

取った事で会社では表彰され

『すごいね』

『頑張ったね』

と褒め称えられた。全然すごくない。

やれば出来る、誰だって本気でやっていないだけでやれば出来る。

褒められても嬉しくなかった。

だってみんな勉強していないだけだから。

本気で取り組めば取れない資格なんてないと思っている。

状況を変える努力はおろか、その考えすらなく

今置かれている環境に身を委ねている人がほとんど。

どうせ私はこんな人生、とか

生まれ変わったら次はお金持ちになる、とか

そんな寂しい思考になりたくはなかった、

でも自分まで負の思考になりそうだった。

気がつかない間に人生の目標を見失ってただただ歳を重ねるところだった。

ネガティブも大事、次のステージに上がるため。

給料が少ないなら稼げばいい。何かをしないと。

働きまくって思いっきり稼ごうと思ってる。

尊敬している人は言った。

動かなかったら何も変わらない。

忙しいのはみんな一緒、そんな中でも大変さを全く見せず

いつも明るく乗り切ろうとしている、そんな姿に影響を受けた。

そして忘れていた情熱のようなものを再び燃え上がらせてくれた。

何かをしないと状況なんて変わらない。

愚痴をこぼしているだけではご飯は食べられない。

自分を奮い立たせるのに節目なんて関係ない。

ひとつひとつ階段を登っていけば

必ず高いところに辿り着く。

言い訳できる環境ではない。

地球上のどこにいようが自分を発信できる時代になった。

もう、状況に甘んじない。

いい年にしよう。